強く押せばいい、をなくすためにパンを破った
『バターは端まで』は、オーブントースターでパンを焼いて、20秒でバターやジャムを塗るゲームです。はじまりは「パンにどれだけきれいにバターを塗れるか、その点数を競うゲーム」という思いつきでした。採点は、塗り残し・厚さのムラ・耳やお皿へのはみ出しの3つです。
パンの上は、112×112のマス目
「塗る」をゲームにするために、パンの上を縦横112マスに分けて、マスごとに「どれだけ塗ってあるか」を数字で持っています。ナイフが通ったマスには、ナイフに乗っている量の一部が置かれ、その分ナイフの量が減ります。すでに塗ってあるマスをなぞると、少しすくい直して先へ運びます。
このしくみだと、同じ所を何度かなぞるうちに、厚い所の分が薄い所へならされていきます。本物のバターを伸ばす時と同じで、「置く」と「伸ばす」が分かれて感じられるようになりました。
ビンは減る、バターは下の面
最初の版は、ビンの中身がいくらすくっても減らず、ナイフのバターは刃の上に乗ったまま塗っていました。実際に遊んでみると、「すくったら減ってほしい」「塗る時はバターが乗っている面が下に来てほしい」というところが気になりました。
そこで、すくうたびにビンの中身の高さが下がり、バターのかたまりは短くなるようにしました。中身は、注文どおりに塗るのに要る量の約2倍だけです。ナイフは、塗りはじめるとくるっと傾いて、バターが下の面に回り、刃の後ろから少しはみ出して見えるようにしています。
押す強さのゲージ
次に足したのが、押しこむ強さのゲージです。画面の左はしに縦のゲージを置いて、指で上下に動かせるようにしました。スマホなら、片方の指で塗りながら、もう片方の指で強さを変えられます。
弱く押すと、パンのでこぼこの高い所にしかつかず、まだらで厚くなります。強く押すと、すくい直しが増えて薄く伸びますが、端へ押し出されてはみ出しやすくなります。ちょうどいい強さは塗るものでちがい、かたいバターやピーナッツバターは強め、やわらかいジャムやはちみつは弱めです。
それでも「強く押せばいい」になりかけた
強く押すと薄くきれいに伸びるので、強めにしておけば失敗が少ない、という形になりかけていました。強さを選ぶ意味をもう一段つけるために、押しすぎるとパンが「ビリッ」と破れて、穴があくようにしました。
破れやすさは、焼き加減とつなげています。焼きが浅いパンほど弱く、かたいバターほど引っかかって破れやすくなります。温かいうちはバターが溶けて引っかかりにくいので、トーストが冷めるほど破れやすくなります。ゲージの上には「ここから上は破れる」という赤いしましまを出していて、焼き加減や時間で動きます。焼き不足なら、やさしく塗るしかありません。
注文と、今日の5枚
同じパンを同じように塗るだけだと、2回目から作業になります。そこで、1枚ごとにお客さんの注文をつけました。「薄めで」「たっぷり」ではちょうどいい厚さが変わり、「耳まで」では耳も塗る所に、「左半分だけ」ではパンの上に点線が出ます。
タイトルの「今日の5枚」は、同じ日ならだれが遊んでも同じ注文になります。結果は5枚のパンを並べた画像になるので、同じ条件の点数を見せ合えます。
見えないまちがいは、テストで
塗る量の計算は、目で見るだけだとまちがいに気づけません。そこで「パンの上の量+ナイフの量=すくった量」になっているか、「ビンの減った量とすくった量が合っているか」「塗っている間、バターの面が下を向いているか」を、いろいろな速さの画面で自動で調べるテストを作りました。直すたびに、このテストを通してから出しています。
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