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落ちる球だけ投げていれば、だれにも打たれなかった

『キャップ野球』は、ペットボトルのキャップを指ではじいて投げ、プラスチックバットで打ち返す、体育館の野球ゲームです。キャップは軽くて平たいので、ボールよりずっと大きく変化します。ふわっと浮く球、すとんと落ちる球、横にぐいっと曲がる球。この変化を投げ分けるのが、このゲームのいちばんの楽しさです。ところが、遊んでもらうと「ひたすら落ちる球を投げ続ければ、相手に打たれることがない」と言われました。

CPUの打者は、毎回同じだけしか読めなかった

CPUの打者は、投げられた球がどれくらい変化するかを、選手ごとの「目のよさ」に合わせて、ある割合だけ読んで振ります。目のいい選手でも、変化の4割ほどしか読めません。この割合が、何球目でも同じでした。そのため、いちばん大きく変化する落ちる球を投げると、毎回同じように球の上を空振りしてしまいます。自動で投げるプログラムで、落ちる球だけを180球投げてみると、三振が51、打たれたヒットは0本でした。

同じ球は、だんだん読まれる

本物の野球でも、同じ球ばかり投げていれば、打者は慣れて打ってきます。そこで、CPUの打者に「どの球を何回見たか」を覚えさせました。同じ種類の球が続くほど、変化を読める割合が上がり、振るタイミングも合ってきます。かわりに、ちがう球を見るたびに、ほかの球への慣れは少しずつ薄れていきます。

同じように落ちる球だけを180球投げると、今度はヒットが21本(ツーベース6本、ホームラン1本)、三振は10になりました。浮く球・まっすぐ・落ちる球をまぜて投げると、ヒットは6本、三振は19です。同じ球で押し切るより、まぜた方がずっと打たれにくい。これでやっと、投げ分けることに意味が出ました。

打つ方は、むずかしすぎた

投げる方とは反対に、打つ方は「かなり難しいので、この辺に球がくるみたいな目安がほしい」と言われました。キャップは最後に大きく変化するので、投げた瞬間の向きを見ても、どこに来るかがわかりません。そこで、ストライクゾーンの中に「ちぢむ円」を出すことにしました。円は、まっすぐ来た時の場所に大きく出て、キャップが本当に来る所へ動きながら小さくなります。指をはなすべき瞬間には、青く光ります。

もうひとつ、「振ったタイミングが遅かったのか早かったのかを教えて」という声もありました。振ったあとに、早い・遅いのメーターを出しています。緑の帯がバットに当たる幅で、点が自分のタイミングです。何秒ずれたかと、円が上すぎたか下すぎたかも出ます。慣れた人のために、タイトルの設定から円を消すこともできます。

捕ったキャップが、手の中で回り出した

守備の選手がキャップを捕ったあと、手の中でキャップがくるくる回り続けることがありました。原因は2つありました。投げた時の回転が、捕ったあとも残っていたこと。そして、選手が「キャップの方を向く」動きを、自分が持っているキャップに対してもしていたことです。キャップの方を向くと手が動き、手が動くとキャップも動くので、いつまでも向きなおし続けていました。捕ったら回転を止め、持っている間はキャップの方を向かないようにして、手の中にぴたっと収まるようになりました。

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