「ライドなんだから」で、どんぶらこが時速190kmになった
『桃太郎ライド』は、桃になって川を流れ、おばあさんの洗濯が終わる前に、洗濯たらいへ飛びこむゲームです。最初の形では、桃は時速40kmくらいで、のんびりどんぶらこと流れていました。遊んでみて出た感想は「もっと疾走感がほしい」。そこから2回作り直して、最後は時速190kmで流れるゲームになりました。
1.4倍では、まだ足りなかった
1回目の作り直しでは、流れを1.4倍速くして、カメラや風の演出を足しました。たしかに速くはなりましたが、返ってきた言葉は「ライドってついてるくらいだから、もっと大げさなくらいでいい」。たしかに、遊園地のライドは、こわいくらいの速さが楽しいものです。そこで、最初の形の約2.5倍、秒速25〜32m(時速90〜115km)をふつうの速さにして、いちばん速い時は時速187kmまで出るようにしました。
速さは、数字だけでは伝わらない
速さの数字を上げても、画面の見え方が同じだと、意外と速く感じません。そこで、速く見せるための工夫をいくつも重ねました。
- カメラを低く、桃に近づけた。水面がすぐ下を流れていくほど速く見えます。
- 川の上に、止まっている白い「風の線」を置いた。桃がそれを次々に追いこしていくことで、速さが目に見えます。
- 速いほど画面を広く見せ、小さくゆらす。きびだんごを取った瞬間などは、画面がドンと広がります。
- 水面の模様を、桃より遅く流した。桃と同じ速さで流すと、桃が止まって見えてしまうからです。
画面の上には「時速◯km」も出しました。100kmで黄色、140kmでオレンジに変わり、150kmをこえると「爆速!」と出ます。
速くすると、コースが一瞬で終わる
速さを上げると、同じコースはあっという間に終わってしまいます。1回約2分という遊びの長さは変えたくなかったので、コースの長さも速さに合わせてのばしました。最初は1.2kmだったコースが、最後は約3kmです。岩の間かくや、横に動く速さも、同じように広げています。速さを変えた時に、コースの長さを数字ひとつで合わせられるように作り直したので、調整がぐっと楽になりました。
下り坂と、千本鳥居
ライドらしさを出すために、ウォータースライダーのような下り坂を5か所入れました。坂の上ではカメラが坂を見下ろし、下るほど速くなります。もうひとつの見せ場が「千本鳥居」です。朱色の鳥居がずらっと並ぶ下を、障害物なしで一気にかけぬけます。鳥居をくぐるたびに「ヒュッ」と音が鳴ります。
カーブを強くすると、川がやせる
最後に「もっとカーブや高低差がほしい」と言われて、川を大きくうねらせました。最初の作り方は、まっすぐな川を横にずらして曲げていたので、強く曲げると、カーブの所だけ川はばが細く見えてしまいます。そこで、川の向きを少しずつ足していって道すじを作る方法に変えました。これなら、どんなに曲げても川はばは同じです。曲がる所では、ジェットコースターのようにカメラが内側へ傾きます。
高低差は、滝を4つ、下り坂を5つにして、波のこぶも足しました。こぶは、ゆっくり通るとそのまま、速く通るとザブンザブンとはねます。最初はこぶの上り坂でジャンプすると、最後の大滝まで100m以上飛んでしまったので、ジャンプで飛べる高さに上限をつけました。
時間は、わざときびしく
時間がきびしすぎないかは、自動で遊ぶプログラムに何十回も流させて確かめています。今は、うまい人で残り約29秒、ぶつからなくても白い流れやきびだんごを使わないと残り約11秒、初めての人はあと少しで間に合わないくらいです。そのかわり、記録は「歴代」と「今日」のトップ3が、リアルタイムでみんなの画面に出るようにしました。だれかが記録を出すと、その場でランキングが入れかわります。
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