トップ › 開発日記

ライトが消えた直後に手が来る、をなくした

『刺されてたまるか!』は、家具の裏の壁についたコンセントになって、プラグを持った手から逃げるゲームです。ライトで照らされている間は動けず、暗い間だけ動ける、「だるまさんがころんだ」に近いルールが中心になっています。ここでは、作っていていちばん手間がかかった「手の動かし方」について書きます。

見られたら止まる、を成り立たせる

のぞく人は、いきなりライトをつけるわけではありません。まず、ガサゴソという音がして、画面の上の目のマークが黄色になり、ライトが少しちらつきます。最初はこの予告が0.75秒あり、90秒までに0.45秒まで短くなります。それより短くはしません。そのあとライトがつくと、1cmほど動いただけで「見られた!」になります。ライトがついた直後の0.12秒だけは、指を止める時間として見のがしています。

ライトが消えた瞬間に刺さる、は理不尽だった

最初の版では、ライトが当たっている間にも、手はコンセントの横まで近づいてきていました。そのせいで、ライトが消えた時にはもう手がすぐそばにあり、逃げようとした時には刺されている、という場面が続きました。止まって耐えたのに避けられないのでは、遊んでいて納得できません。

そこで、直し方を2つ決めました。ひとつは、ライトの間は、手がコンセントの中心から約8cmより近づかず、つつかないことです。近すぎる時は、少し下がります。もうひとつは、ライトが消えてから手が動き出すまでに「間」を作ることです。最初は0.45秒で、90秒までに0.3秒になります。この間に逃げ出せるかどうかが、遊びの山場になりました。

後半の手は、差しこみ口をねらって先まわりする

手の動かし方を調べると、はじめの手は、コンセントの「中心あたり」をねらっていました。でも、差しこみ口は、中心から上下に3.6cmずつはなれています。そのため、なかなか刺さらず、後半に難しさを上げても、手がうまくあたらない場面が多くありました。

そこで、90秒をすぎたころから、手が差しこみ口そのものをねらうようにしました。さらに、コンセントが逃げている向きと速さから、手が着く頃にいそうな場所を計算して、先まわりします。150秒でいちばん強くなり、手の速さは0.75m/秒から2.2m/秒に、刺して引くまでの時間は約0.4秒から約0.17秒に、刺す場所のずれは1.5cmから0.3cmになります。

反応の速さだけで、難しくしない

はじめは、「止まれ」の予告やライトの間隔を短くして、後半を難しくしていました。ところが、それだと、予告を見てすぐ指を止められるか、という反応の速さを競うだけのゲームになってしまいます。そこで、90秒以降は、予告の長さも、ライトが消えてから手が動き出すまでの間も、短くするのをやめました。かわりに、手が刺す回数と、刺す場所の正確さで難しくしています。

必殺・手さぐり乱舞

難しさの変化をはっきり見せるために、22秒をすぎると、ときどき「必殺・手さぐり乱舞!」が来るようにしました。この間はライトがつかず、手がコンセントを少し遅れて追いかけて、すごい速さでつつきまくります。角で止まっていると刺されますが、円をえがくように動くと、手が追いつけません。後半は、7〜11秒おきに、最大5秒続きます。

強すぎないかを、自動プレイで確かめる

難しさを数字で決めても、遊ぶ人にとって難しすぎないか、簡単すぎないかは、遊んでみないとわかりません。そこで、コンセントを動かして逃げる「自動プレイ」を作って、何度も遊ばせました。反応が0.3秒のゆっくりした操作でも、反応が0.15秒の速い操作でも、180秒を超えた回はありませんでした。刺されて終わった回は、ほとんどが手のつつきによるもので、ライトに見つかって終わった回は、ほぼありませんでした。手の位置がすべてわかり、反応が0.1秒、速さが1.8m/秒という、人間ではむずかしい操作でも、16回のうち180秒を超えたのは0〜4回でした。

どんな端末でも、同じ強さにする

動きの計算は、画面の更新の回数とは関係なく、1/120秒ごとに進めています。60fpsの画面でも、144fpsの画面でも、動きが重くて20fpsになる端末でも、手の強さが変わらないためです。60fps・144fps・20fps、0.5秒の止まり、3秒の止まりの5つの場合で、手やプラグのコードが壁や家具にめりこんでいないか、速さが決めた値をこえていないかを、自動で調べてから出しています。

この記事のゲーム

ほかの日記

広告